バイナンスの創設者で元CEOのジャオ・チャンポンが刑務所から釈放される
ジャオ・チャンポンが刑務所から釈放される
バイナンス創業者で元CEO(最高経営責任者)のCZことジャオ・チャンポン(趙 長鵬:Zhao Changpeng)氏は、米国で4カ月の刑期を終え、2日早く釈放されたことが明らかになった。
ブルームバーグの 報道 によると、同氏は当初、2024年9月29日(土曜日)に釈放される予定であったが、その日が週末にあたるため、当局がロングビーチの居住者再入国管理局からの早期釈放を認めたとのこと。同氏は、バイナンスで適切なマネーロンダリング(資金洗浄)防止と制裁規制を実施しなかったとして起訴され、2024年5月に刑期を開始。ただし、同氏は、米司法省が求めていた3年の有期刑に比べ、比較的寛大な判決を受けている。2023年11月、同氏とバイナンスは米国の反マネーロンダリングおよび制裁規制違反を認め、その中には、イランやキューバなど米国の制裁下にある国に対する取引を促進した件も含まれていた。
司法取引の一環として、米国政府はバイナンスに43億ドルの罰金の支払いを要求し、同氏個人は5,000万ドルの罰金を支払ったほか、同社のCEOの地位から退くことにも同意。また、和解案で同氏は、会社の「管理または運営」を禁止されているが、具体的な内容はまだ明らかになっていない。
ジャオ氏は終身禁止処分を受けている
報道では当初3年間の禁止期間が示唆されていた同氏だが、バイナンスのリチャード・テン(Richard Teng)現CEOはAxiosへのコメントで、同氏が実際に終身禁止処分を受けたことを確認した。
現CEOによると、同取引所の90%の株式を所有する同氏は、会社の日常的な運営や戦略的方向性には一切関与していないという。また、同取引所の地域市場責任者であるヴィシャル・サチャンドリーン(Vishal Sachandreen)氏は、同取引所が同氏からの自律性を保証するため、CZ氏は株主権以外に社内で権力を持たないと述べた。 DOJ (米国司法省)は当初、同氏が自分と会社の利益のために故意に金融法を破る行動をとったとして、刑期の長期化を要求。これに対して同氏の弁護人は、同氏は事件の責任を認め、反省の態度を示しており、これが刑期短縮の理由のひとつであると主張していた。なお、同氏の早期釈放は連邦刑務所局の広報担当者によって確認されたが、個人情報保護法の規定により、彼の拘留に関する具体的な情報は明らかにされなかった。
一方で、法的トラブルを抱え、数十億ドルの罰金を支払ったにもかかわらず、同氏は2024年の富豪の一人であることに変わりなく、フォーブスが更新した 億万長者リスト によると、純資産606億ドルで総合ランキング25位をキープしているとのこと。同氏は現在、同リストに掲載された仮想通貨業界の17人の中で、最も裕福な人物第1位となっている。
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