ドル連動型ステーブルコインUSDTの発行元であるテザーは1月31日、2024年の利益が130億ドルになったと 発表した 。

同社によると、テザーの米国債保有額は約1130億ドルに達しており、これまでで最大規模となっている。この米国債の増加は、USDTの需要拡大を反映しているとテザーは説明している。USDTは流動性の高い米ドル建て資産で1:1の裏付けがあるためだ。

2024年12月31日時点でのUSDTの時価総額は約1370億ドルであり、テザーの総準備資産は1430億ドルを超えている。これらの数値は、会計事務所BDOの検証に基づくものだ。

また、同社は金（ゴールド）やビットコイン（BTC）も保有しており、2024年にはこれらの資産から50億ドルの利益を得たと述べている。

テザーの純資産（総資産から負債を差し引いた額）は200億ドルに達している。2024年第4四半期には230億ドル分のUSDTを発行し、年間発行量は450億ドルに上った。

ステーブルコインUSDT発行企業テザー 2024年に130億ドルの利益を計上 米国債保有は過去最高に image 0

 Source: Tether

2024年、テザーはエルサルバドルでステーブルコイン発行者およびデジタル資産サービスプロバイダーのライセンスを取得し、同国を 本社拠点としている 。

また、テザーは利益の一部を再投資し、持続可能エネルギー、ビットコインマイニング、データ・AIインフラ、ピアツーピア通信技術、ニューロテクノロジー、教育分野などの産業に資金を投じている。

USDTの市場シェア低下

仮想通貨市場データプロバイダーCCDataによると、2024年のUSDTの市場シェアは低下し、約65%まで減少した。一方で、競合ステーブルコインであるUSDコイン（USDC）がシェアを拡大している。

それでも、中央集権型取引所（CEX）では引き続きUSDTが支配的であり、市場シェアの82%を占めている。

サークルが発行するUSDCの時価総額は、1月31日時点で約520億ドルだ。USDCはソラナネットワーク上で支配的なステーブルコインとなっており、同ネットワークにおけるステーブルコイン供給量の約78%を占めている。

USDCのシェア拡大の背景には、テザーの欧州連合（EU）の暗号資産市場規制（MiCA）への適合性に関する懸念があるとされている。

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