ビットコイン1万ドル下落!カナダは報復関税、貿易戦争勃発?【仮想通貨相場】
ポイント
- 10.6万ドルから9.6万ドル割れへ、週末で1万ドル下落
- 2月4日から対カナダ・メキシコ25%に加え対中国で10%関税追加
- カナダが報復関税発表で貿易戦争への懸念、但し中国はWTO提訴とやや慎重
- 週明けのアジア市場は株安・ドル買いの流れ、震源地の米州時間に下げ止まれるか
昨日のBTC相場
本日のBTC市場は軟調な展開を予想する。
BTCは9.7万ドルで切り返し、上向きの平行チャネルを形成し上値をトライと思われたが、3たび10.7万ドル近辺で跳ね返される格好となり、反対に下向きの大きな平行チャネルを形成する格好となった。9.6万ドル近辺はそのサポートラインで、ここを割り込むと9万ドル近辺まで下げ足を速める可能性がある。
市場の雰囲気が悪化したのはトランプ関税の発動によるものだが、以前から出ていた話に市場がここまで反応したのはなぜか?
まず市場はトランプ政権の意図はきちんと理解していなかったのかもしれない。同政権からは一貫してカナダとメキシコに対してフェンタニルの米国への流入を阻止しなければ25%の関税を課すと言い続けており、30日(日本時間31日)のトランプ氏の発言もそうした趣旨だった。
同政権のスピード感はすさまじく、一晩待っても反応が無かったので翌31日(日本時間2月1日)に正式に発動した。この際、フェンタニルの製造元である中国にも追加10%の関税を課したこともサプライズだった。市場は今になって2019年の米中貿易戦争を思い出したのかもしれない。
これに対しカナダが報復関税を課したのも火に油を注いだ。移民送還をコロンビアがすぐに受け入れたのとは反対の動きだ。中国でさえ敵わなかった米国との全面貿易戦争でカナダ・メキシコが太刀打ちできるとは思えないが、その過程で両国に大きなダメージが残りかねない。この点、中国はやや慎重な物言いに終始しているのが救いか。
この問題がどのように収束するのか、リスクオフがいつ解消するのか、まだ少し読めないが、そうした未知なリスクに対してBTCは弱い傾向がある。分散投資家がリスク量を減らすにはボラテリティの高い資産を落とすのが手っ取り早いからだ。加えて、今回の貿易戦争の激化が週末だったことからBTCにリスク回避の売りが集中した格好か。
週明けの市場で株安・ドル買いの動きが収まっておらず、今回の震源地である米州時間にどこで流れを断ち切れるかがポイントとなる。但し、この動きも大きく見ればトランプ登場に各企業や投資家が適応しようとするものの一部で、その一環としてのBTCの押し目買い需要により相場は下支えされるとの見方は不変だ。
本日のBTC相場
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著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト
東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。
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