ビットコイン、9万8000ドル突破が強気転換のカギか？

ビットコイン（BTC）は2月18日に9万3321ドルの新たなレンジを形成後、4.40%の急騰を見せた。しかし、より長い時間軸のチャートでは下降チャネルパターンを形成しながら下落トレンドを維持している。

Bitcoin 4-hout chart analysis. Source: Cointelegraph/TradingView

現在のレンジ上限は10万2000ドル、レンジ下限は9万1000ドルとなっており、市場の動きには明確な方向感が欠けている。この低迷した値動きは、オンチェーンデータや機関投資家の需要にも影響を及ぼしている。

ビットコインETFの純流入が減少

クリプトクアントのリサーチ責任者であるフリオ・モレノ氏は、 Xの投稿 で2025年第1四半期の現物ビットコインETFの需要が、2024年第1四半期の半分に減少していると指摘した。具体的には、現在の純流入量は約4万1000 BTCであり、2024年の約10万BTCと比較すると大幅に減少している。

ETFへのビットコイン純累計流入額。. Source: X.com

ただし、ドル換算で比較すると、その差はわずかだ。ETFの流入総額は2024年が約48億ドル、2025年が約43億ドルと、大きな変動はない。

一方、K33リサーチのリサーチアナリストであるヴェトレ・ルンデ氏は、CMEビットコイン先物の1か月ベーシスが2023年9月以来の低水準に達したと 指摘した 。

Bitcoin CME futures 1-month basis. Source: X..com

1か月ベーシスとは、直近の満期の先物価格とビットコインのスポット価格との差をパーセンテージで示したもので、市場の需給状況を表す指標である。プレミアム（コンタンゴ）で取引されている場合、先物がスポット価格よりも高く、強気相場を示唆する。逆にディスカウント（バックワーデーション）で取引されている場合、先物がスポット価格よりも低く、弱気相場や流動性リスクを示唆する。

ルンデ氏は、現在の1か月ベーシスはプラスだが、市場は「リスク回避」ムードが強いと指摘している。

「取引量は選挙前の水準に戻り、ETFの資金流入もなく、ボラティリティも消えた」とルンデ氏は言う。

BTC CME先物年換算ベーシス. Source: Velo.data

興味深いのは、CMEの年率換算ベーシスも4か月ぶりの低水準に 落ち込んでいる 点である。過去のデータによると、年率換算ベーシスが6%の水準に下落した際、ビットコインは2週間以内に高時間軸（HTF）で底を打つ傾向がある。2月19日時点の年率換算ベーシスは6.22%であり、今後の市場動向に注目が集まる。

ビットコイン、どちらにブレイクするか？

低ボラティリティと横ばいの値動きが続く中、ビットコインは方向性を明確に示せずにいる。市場は弱気に見えるが、BTCは11月19日以降、9万2000ドルを下回る日足終値を記録していない。

ビットコイン チャート分析. Source: X.com

仮想通貨トレーダーのジャッキス氏は、過去15日間のビットコイン価格が2023年8月と同様に圧縮されていると 指摘した 。現在のレンジは10万6000ドル～9万1500ドルの範囲で推移しており、今後の投資判断には明確な方向感が不可欠だと述べている。

また、仮想通貨投資家のジェレ氏も 同様の見解を示し 、BTCが9万7000ドルを突破できずにいると指摘した。「価格はゆっくりとレンジの上限に近づいているが、圧縮が『どんどん強まっている』ため、遅かれ早かれブレイクアウトが起こる」と強調した。

ファンダメンタルズの観点から見ると、日足終値が9万8000ドルを超えることが回復の第一歩となる可能性がある。実際、BTCは2月4日以降、9万8000ドルを超えて日足終値を記録できていない。この水準でのレジスタンスが依然として強く、価格の上昇を抑えている。

そのため、9万8000ドルを明確に突破した場合、強気派が勢いを増し、市場に新たなボラティリティが生まれる可能性が高い。  

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。