既存のビットコインのレイヤー2(L2)プロジェクトの3分の2以上が、最初の熱狂が冷めるにつれて今後3年以内に消滅すると、Stacksの共同創設者ムニーブ・アリ氏は予測する。

「ビットコインL2のハネムーン期はもう終わりかけている」と、アリ氏はコンセンシス2025でのコインてれぐらふのインタビューで語った。彼は、2013年にBlockstackとしてローンチされ、現在はビットコインL2として発展したStacksの最新状況についても説明した。

Stacksは最近、大規模なネットワークアップグレード「ナカモト」を完了した。これにより、ユーザーエクスペリエンスが大幅に向上したという。「2つの大きな変化があった。1つ目はユーザーエクスペリエンスの向上、2つ目はStacksがビットコインのハッシュレートの100%によって保護されるようになったことだ」。

この結果、ビットコインネットワークのセキュリティを活用しながら、L2での取引確認速度が向上したという。

ビットコインL2、生き残るプロジェクトは少数

ビットコインL2のエコシステムについて、アリ氏は「市場は非常に厳しい」と指摘した。

「すべてのプロジェクトが、最初の熱狂を超えて開発を続ける使命感や献身性を持っているわけではない。私の予想では、現在のビットコイン関連プロジェクトの3分の1未満しか生き残らないだろう」

その中でも、StacksやBabylonといったプロジェクトは今後も成長を続けると考えている。

「現在、市場全体は取引量や時価総額の面で少し停滞しているように見えるが、Stacksの相対的な位置は向上している。これは、Stacksが“ブルーチップ(安定した優良プロジェクト)”と見なされているためだ」

ビットコインへの資本流入が加速

アリ氏は、今後市場がビットコイン(BTC)へとシフトし、イーサリアム(ETH)やソラナ(SOL)などのレイヤー1チェーンの影響力が低下するとみている。

同氏によれば、ビットコインには、ビットコイン上場投資信託(ETF)のように業界外から資本が流入しているが、他のプロジェクトは同じ資本を奪い合っているのが現状だ。

特にミームコインが流行すると、L1インフラプロジェクトから資本が流出し、ミームコイン市場に流れ込むが、これは既存の資本が異なるカテゴリーへと移動しているだけだと指摘した。「一方で、ビットコインは新たな資本が流入し続ける唯一の資産である可能性が高い」とみている。

アリ氏はビットコインの強気相場に自信を持っており、価格が5万ドルを下回ることはないと予測している。

「過去10年のデータを考慮すれば、大手ヘッジファンドはモデルや半減期パターンに従うだろう。それは、ほぼ“自己実現的な予言”のようなものだ」