イーサリアムの市場心理が年初来最低水準に 反発の兆しとなる可能性も
イーサリアム(ETH)に対する市場心理が今年最低水準に落ち込んでいる。価格が他の主要な仮想通貨に対して低迷していることが背景にあるが、これは反発の兆しともなり得ると、サンティメントが指摘している。
サンティメントのソーシャルセンチメントトラッカーによると、X、Reddit、Telegramなどのソーシャルメディア上でのイーサリアムに関するトレーダーの議論は、他の主要な仮想通貨と比較してより弱気な傾向にあるという。
同社は 3月5日のX投稿 で「イーサリアムを辛抱強く保有している投資家にとって、ソーシャルメディア上の弱気ムードは、仮想通貨市場が安定すれば反転の兆しとなる可能性がある」と述べた。
イーサリアムの市場心理は弱気に転じている. Source: Santiment
ETHは1カ月で20%下落 BTCとの差が拡大
コインマーケットキャップのデータによると、イーサリアムの価格は過去1カ月で20%下落し、現在は2176ドルで取引されている。これに対し、ビットコイン(BTC)の下落率は10%にとどまり、1BTCあたり8万8000ドルで 推移している 。
分散型データネットワーク「Pyth Network」の主要開発企業であるドウロ・ラボのマイク・ケイヒルCEOはコインテレグラフの取材に対し、イーサリアムのパフォーマンス低迷が市場心理の悪化を引き起こしているものの、「短期的な市場の流れと長期的なファンダメンタルズは区別することが重要だ」と指摘した。
「歴史的に見ても、市場心理が極端に弱気になる局面は、市場の底値と一致することが多い。価格の動きが市場心理を先導し、その逆ではない」とケイヒル氏は語った。
「仮想通貨市場が安定すれば、イーサリアムは流動性の回復と機関投資家の継続的な関心の恩恵を受ける立場にある」とも述べた。
長期的な成長の兆しも
サンティメントによると、昨年3月から9月にかけて、仮想通貨市場全体の強気相場とともにイーサリアムに対する市場心理は主に強気だった。しかし、昨年9月以降は弱気ムードが広がり、新年を迎えてもその流れが続いている。
クロノス・リサーチのアナリストであるドミニック・ジョン氏は、短期投資家にとってイーサリアムの低迷は不安材料かもしれないが、極端な悲観ムードは市場のサイクルの底を意味することが多く、「大幅な反発の準備が整っている可能性がある」と指摘した。
「金利の低下や、ETHのステーキングを組み込んだ上場投資信託に関する明確な規制の進展があれば、価格を押し上げる要因になり得る」と同氏はコインテレグラフに述べた。
「また、トランプ氏が支援する『ワールド・リバティ・フィナンシャル(WLFI)』を含む機関投資家の継続的な買いは、長期的な信頼の高まりを示している」とも付け加えた。
WLFIは分散型金融(DeFi)プラットフォームとして、過去7日間でイーサリアムの保有量を1000万ドル相当増加させている。
ネットワーク活動の低迷が価格の重荷に
一部のアナリストは、イーサリアムの低迷はネットワーク活動の減少、総ロック価値(TVL)の低下、供給量増加に対する投資家の懸念が影響していると 指摘する 。
また、イーサリアムのMVRV Zスコア(イーサリアムの適正価値を評価する指標)は、過去17カ月で最低水準に達した。この指標は、資産が過大評価または過小評価されているかを判断するために用いられる。
過去にMVRV Zスコアが同様の低水準に達したのは2023年10月で、その直後にイーサリアムは約160%の上昇を記録した。また、2022年12月と2020年3月に同様のスコアの低下が見られた後、市場は強気相場へと反転した。
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